2016年07月07日
こんにちは。
今日の午前中、3年ほど前に障害年金の申請をサポートさせていただいた、
兵庫県神戸市の統合失調症の方のお母様からお電話をいただきました。
数年経ってまたお電話をいただけるのはうれしいことです。
そこで、聞かれたことなのですが、「精神障害者の雇用義務化について」です。
「2018年から精神障害者の雇用が義務化される」とネットの情報をご覧になり、
「精神障害者も就職しやすくなる!」と期待されていました。
しかし、この精神障害者の雇用義務化については誤解されている方が多く見られます。
この障害者雇用促進法の改正は、
各企業に精神障害者の雇用を義務付けるものではありません。
現行の障害者雇用促進法について
現行の障害者雇用促進法によって、
障害者雇用率(常用労働者50人以上の企業が対象)が定められています。
この障害者雇用率は現在2.0%となっています。
従業員100人の企業は、100×2.0%=2人分の障害者を雇用しなければなりません。
これを達成できなければ、
未達成分1人あたり月額5万円の障害者雇用納付金を徴収されます。(障害者雇用納付金の徴収は常用労働者100人超の企業が対象)。
改正障害者雇用促進法について
2018年4月から障害者雇用率の算定式が改正されることとなりました。
- 現行…(身体障害者、知的障害者である常用労働者の数+失業している身体障害者、知的障害者の数)÷(常用労働者数+失業者数)
- 改正後…(身体障害者、知的障害者及び精神障害者である常用労働者の数+失業している身体障害者、知的障害者及び精神障害者の数)÷(常用労働者数+失業者数)
上記の通り、改正後は、障害者雇用率の算定に精神障害者を含めることとなりました。
これにより、分子が上昇しますので、障害者雇用率自体が上昇します。
2018年4月から障害者雇用率の算定式が改正されるのであり、
精神障害者の雇用を各企業に義務付けるものではありません。
精神障害者を雇用するか、知的障害者を雇用するか、身体障害者を雇用するかは、
各企業の選択となります。
このことを説明すると、
「何だか分かったような分からないような感じ…
とにかく企業に最低1人は精神障害者を雇わないといけないということではないんですね…」とおっしゃり、
がっかりされていました。
この法改正については、今回の兵庫県神戸市の方のように誤解されている方が多く見られます。
振り回されないようにしたいものです。