2024年02月16日
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【パーキンソン病で障害年金の申請をお考えの方へ】
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パーキンソン病の認定基準は?
パーキンソン病は障害年金の認定対象となっています。以下は国の定めた認定基準の概要です。
障害の程度 |
障 害 の 状 態 |
1級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 |
身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの |
3級 |
身体の機能に、労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの |
難しい用語が並んでいますが、1級は常に援助が必要な状態、2級は日常生活に支障が出ていて毎日の生活が制限されている状態、3級はふつうに働くことが困難な状態であるとお考えいただくと分かりやすいかなと思います。
認定要領より一部抜粋・編集(1)
肢体の機能の障害の程度は、関節可動域、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。
なお、他動可動域による評価が適切ではないもの(例えば、末梢神経損傷を原因として関節を可動させる筋が弛緩性の麻痺となっているもの)については、筋力、巧緻性、速さ、耐久性を考慮し、日常生活における動作の状態から身体機能を総合的に認定する。
各等級に相当すると認められるものの一部例示
障害の程度 |
障 害 の 状 態 |
1級 |
1. 一上肢及び一下肢の用を全く廃したもの 2. 四肢の機能に相当程度の障害を残すもの |
2級 |
1. 一上肢及び一下肢の機能に相当程度の障害を残すもの 2. 四肢に機能障害を残すもの |
3級 |
一上肢及び一下肢に機能障害を残すもの |
この表の中の用語を少し説明しますと、
- 「用を全く廃したもの」・・・日常生活における動作のすべてが一人で全くできない場合又はこれに近い状態
- 「相当程度の障害を残すもの」・・・日常生活における動作の多くが一人で全くできない場合又は日常生活における動作のほとんどが一人でできるが非常に不自由な場合
- 「機能障害を残すもの」・・・日常生活における動作の一部が一人で全くできない場合又はほとんどが一人でできてもやや不自由な場合
をいいます。
(注) 肢体の機能の障害が両上肢、一上肢、両下肢、一下肢、体幹及び脊柱の範囲内に限られている場合には、それぞれの認定基準と認定要領によって認定すること。
なお、肢体の機能の障害が上肢及び下肢の広範囲にわたる場合であって、上肢と下肢の障害の状態が相違する場合には、障害の重い肢で障害の程度を判断し、認定すること。
認定要領より一部抜粋・編集(2)
日常生活における動作と身体機能との関連は、おおむね次のとおりです。
ア 手指の機能
(ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ) ひもを結ぶ
イ 上肢の機能
(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
ウ 下肢の機能
(ア) 片足で立つ
(イ) 歩く(屋内)
(ウ) 歩く(屋外)
(エ) 立ち上がる
(オ) 階段を上る
(カ) 階段を下りる
なお、手指の機能と上肢の機能とは、切り離して評価することなく、手指の機能は、上肢の機能の一部として取り扱う。
ヤールの重症度分類
障害年金の認定基準とは全く違うものですが、パーキンソン病の進行度をしめす指標として、「ヤールの重症度分類」というものが広く用いられています。
ヤール1度 |
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ヤール2度 |
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ヤール3度 |
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ヤール4度 |
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ヤール5度 |
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ヤールの重症度分類と障害年金の認定基準を当てはめることはできませんが、目安として、ヤール3〜5程度であれば、障害年金の認定基準に該当する可能性が考えられます。
パーキンソン病とはどのような疾患か
パーキンソン病は脳の黒質という部分の神経細胞が減り、黒質で作られるドパミンが不足することで、脳からの信号が伝わりにくくなってしまうことで起こります。
減った神経細胞は増えることはないので、徐々に病状は進んでゆきます。
症状は、主に運動症状と非運動症状とに分かれます。
運動症状
・動作が遅くなる(無動・寡動)
・手足や体幹がこわばる(筋強剛)
・手足がふるえる(振戦)
非運動症状
・不眠や突発的睡眠(睡眠障害)
・気分の落ち込みや不安、幻覚・妄想、認知機能障害(精神症状)
・便秘や頻尿、多すぎる発汗(自律神経症状)
パーキンソン病の治療の中心となるのは、不足しているドパミンを補うドパミン補充療法などの薬物療法です。
また、パーキンソン病は障害年金の認定の対象となる疾患です。
パーキンソン病で障害年金申請をする際のポイント
【1】服薬の効果がオン時が審査の対象となります。
パーキンソン病は、服薬によりある程度日常生活動作が回復する時間(オン時)と服薬による効果が消失し日常生活動作が困難となる時間(オフ時)の差が激しいケースがあります。
障害年金ではオン時の日常生活動作の状況、オンの時間が1日のうちどれくらいあるのかも審査の対象となります。
【2】障害年金の事後重症請求は、65歳までであることに注意!
パーキンソン病は、50歳から65歳くらいまでの間に発症する方が多く、比較的発症時の年齢が高い傷病であると言えます。
弊所にも65歳前後の方から多くのお問い合わせを頂戴いたしますが、障害年金は原則として、65歳の誕生日の2日前までに申請しなければなりません。
65歳以降でも申請できるのは、以下の場合に限られます。
- 初診日が、65歳の2日前までにあり、障害認定日の障害状態が障害等級に該当している場合
- 前発傷病と後発傷病を併せて、65歳前にはじめて2級となった場合
- 初診日において国民年金の任意加入者であった場合
- 初診日において厚生年金加入中であった場合
初診日から1年6か月経過した日(障害認定日)の時点で、認定基準に該当する状態だった場合は、上記1に該当する可能性が考えられます。
ただし、障害認定日の時はまだ軽度の症状だった場合や、そもそもカルテがない場合などは、障害年金をもらうことは困難です。
また、障害年金の受給権が得られたとしても、老齢年金とは併給ができないため、以下の組み合わせの中から選択しなければなりません。
- 障害基礎年金+障害厚生年金
- 老齢基礎年金+老齢厚生年金
- 障害基礎年金+老齢厚生年金
そのため、障害年金の受給権を得られても、大きなメリットは感じられない可能性も考えられます。
また、老齢基礎年金を繰上げて受給すると、障害基礎年金の事後重症請求ができなくなります。
障害基礎年金の申請をご検討されているのであれば、先に障害基礎年金の申請をしましょう。
【3】パーキンソン病で働いていても障害年金を受給できる可能性はある
パーキンソン病の方で、肢体に障害がある場合は、主に日常生活における動作や身体機能の程度によって等級が決定するため、就労状況については問われません。
若年性パーキンソン病の方などですと、退職後ではなく、仕事をしている現在でも、認定基準に該当する程度であれば受給できます。
「自分は働いているけど障害年金をもらえるだろうか」とご不安な方は、ぜひ一度弊所にご相談ください。
パーキンソン病で障害年金申請をお考えの方へ
障害年金の審査はすべて書面で行われます。面接はありません。
そのため、審査で考慮されることを余すことなく書面で伝える必要があります。
本当は障害年金を受給できる状態なのに、書類がうまく作成できなかったためにもらえないというのは、大変もったいないことです。
障害の状態の審査には、主に「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が使用されます。
障害年金を請求するための診断書は、治療のための医学的な診断書ではなく、生活に必要な所得保障のための社会医学的な診断書です。
そのため、病気やけがなどによって日常生活にどれくらい影響を及ぼしているかがわかるように作成いただくことが大切です。
自分一人でお医者様に伝えることが難しい場合は、お医者様に伝えるべきポイントを整理するようサポート致しますのでお問い合わせください。
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