2018年09月19日
こんにちは。
先日から、「管理基準の設定方法」について書いています。
前回は「事例2 加熱殺菌工程で、中心品温がリアルタイムに測定できないケース」について書きました。
今回は、この「加熱殺菌工程で、中心品温がリアルタイムに測定できないケース」で、
しゅうまいを例に管理基準を設定する方法について書きます。
例えば、しゅうまいの蒸煮は、
ベルトコンベアーなどの上に製品を置き、それが炉の中を通過しながら加熱する連続式と
ひとつのカゴなどに製品を入れて熱処理を行うバッチ式のふたつの方法がありますが、
管理基準の設定に関する基本的な考え方は同じです。
- 連続式蒸煮ラインやバッチ式蒸煮ボックスの内部に通常生産時と同量の未加熱品を入れて、負荷量を一定にします。所定の蒸気圧で蒸気を入れ、内部の雰囲気温度および食品の中心品温を測定します。内部の雰囲気温度は、制御盤の温度計で知ることができますが、中心品温については次のいずれかの方法で測定します。
- 電子式データロガーや熱電対式自動温度計を使用し、連続的に自動計測する。
- 設備的に自動計測が困難な場合は、まず雰囲気温度で温度の上昇傾向を事前に調査し、所定の温度となった時点で、食品を取り出し、サーミスタ温度計などで測定する。
サーミスタ温度計などで測定する場合、
一定の中心品温に達するまで毎回の測定を行いますが、バッチ式の場合は扉を開くと雰囲気温度が下がりますので、
事前に加熱時間を想定しておき、一度扉を開いた試験区については、その時点で試験を終了する必要があります。
2. これらの試験で得られたデータにより、雰囲気温度と中心品温の昇温曲線を作成します。
この中心品温の昇温曲線から、
有害微生物の殺菌温度と時間の目安になる63℃で30分の熱量(加熱食肉製品の基準)と同等の温度、時間を、管理基準として設定します。
次に、この管理基準と相関する雰囲気温度と時間を、雰囲気温度の昇温曲線より判断し、製造基準として設定します。
ただし、前回記載のように、両方を管理基準としても構いません。