2023年08月31日
こんにちは。
先日、知的障害のため障害年金の請求をしようと考えたが、どのように動けばいいかわからないとのことで、兵庫県西宮市の方がご相談にお見えになりました。
知的障害は障害年金の認定の対象とされています。
知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいい、弊所でも相談の多い傷病です。
知的障害は障害年金の認定の対象とされています。
いつ障害年金の請求ができるか。
知的障害の方の場合、20歳の誕生日以降に障害年金を請求することができます。
※請求時の診断書は20歳の誕生日の3か月前から取得することができます。
それでは、知的障害の場合、どんな状態なら障害年金を受給できるかをみていきましょう。
どんな状態なら知的障害で障害年金を受給できるか
障害年金は障害の状態、程度に応じて等級が決められます。
▼障害基礎年金
1級、2級
障害が重い順に、1級、2級となり、受給額も多い順に1級、2級となります。
知的障害の認定基準
障害の程度 |
障害の状態 |
1級 |
知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が 必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難で あるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの |
2級 |
知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行う のに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なもの に限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの |
難しい基準になっていますが、おおまかには以下のように考えればいいでしょう。
1級 |
常時の援助が必要なもの |
2級 |
日常生活が著しい制限を受けるもの |
上記障害等級に該当すると判断されれば、障害年金を受給することができます。
「自分は障害年金をもらえるだろうか」「どの等級に該当するだろうか」とご不安な方は、以下からお問い合わせください。
どのように審査されるか。
知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断されます。
日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能を考慮の上、社会的な適応性の程度によって判断するよう努められます。
つまり、「どれだけ日常生活で困っているか」に主眼をおいて判断されます。
また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定されます。
「知的障害で働いていたら障害年金をもらえない?」
就労支援施設や小規模作業所などに参加する方に限らず、一般就労をしている方であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している場合も多いでしょう。
そのため、働いていることだけでただちに日常生活能力が向上したものとは捉えません。
知的障害で働いている方の場合は、その療養状況を考慮するとともに、
- 仕事の種類、内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
等を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。
「働いていたら障害年金はもらえない!」とは限りません。
実際に障害年金を受給しながら働いている方はたくさんいらっしゃいます。
「自分は働いているけど障害年金をもらえるだろうか」とご不安な方は、以下からお問い合わせください。
それでは、障害年金の受給額を確認しましょう。
障害年金の受給額
障害等級 |
障害基礎年金 |
1級 |
年993,750円 |
2級 |
年795,000円 |
障害年金だけで悠々自適、贅沢三昧とはいきませんが、これからの生活の助けとなるでしょう。
以下で受給事例を紹介します。ご参考にしてくだい。
事例:知的障害(働きながら障害年金を受給できた事例)
この方は、幼少期から特別支援学級に通い、現在は障害者雇用で就労していました。
しかし就労状況は安定せず、将来に不安を感じたため、障害年金の請求を検討されました。
この方の場合、療育手帳を取得されていますが、診断名がよくわからないとのことでした。
療育手帳は、地域によっては発達障害の方も交付を受ける場合がありますので、療育手帳を持っているということのみで知的障害と決めつけることができません。
どうしたらいいのかわからなくなり、弊所にご相談くださいました。
傷病名 |
知的障害 |
障害の状態 |
習慣化した簡単な行動は可能だが、理解や判断を伴う行動はできない。コミュニケーションにも難あり。 |
就労状況 |
障害者雇用にて約3年勤務。給与は月約15万円。 |
療育手帳の等級 |
療育手帳B2 |
労働能力及び日常生活能力 |
臨機応変な対応はできず一般的な労働は困難。日常生活においても家族の助けが必要。 |
予後 |
不詳 |
認定が得られた障害年金の等級 |
障害基礎年金2級 |
障害年金の受給額 |
年額約78万円 |
本事例のポイント |
傷病名の確認が必要でした。また、就労をしている状況下での障害年金請求となりました。 |
知的障害と発達障害の初診日について
知的障害の場合
知的障害は、先天性またはおおむね18歳までに知的機能の障害があらわれるので、実際に初めて受診した日がいつであるかに関わらず、生まれた日を初診日とされます。
そのため、知的障害に限っては、初診日の証明が必要ありません。
※初診日とは、請求の原因となった傷病につき、初めて医師等の診療を受けた日をいいます。
発達障害の場合
発達障害は、通常低年齢で発症する疾患ですが、知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、初めて受診した日が 20 歳以降であった場合は、当該受診日を初診日とされます。
そのため、発達障害の場合は初診日の証明が必要となります。
働いていたとしても障害年金をもらえる可能性があります。
実際に精神の障害については、28.28%の方々が働きながら受給しています。
「働いている=障害年金はもらえない」ではありません。
障害年金の審査では、日常生活能力を中心に審査をされます。
働いている場合は、以下についても考慮されます。
- 仕事の種類、内容
- 就労状況
- 仕事場で受けている援助の内容
- 他の従業員との意思疎通の状況
障害者雇用やA型作業所、B型作業所、就労移行支援事業所に通所している場合
就労継続支援A型、就労継続支援B型や就労移行支援事業所に通所されている場合や障害者雇用で働いている場合は、1級または2級の可能性を検討されます。
一般企業や自営・家業で働いている場合
一般企業や自営・家業等で働いている場合は、就労系障害福祉サービスや受けている支援や援助の状況、仕事内容等によって2級の可能性を検討されます。
実際に障害年金を受給しながら働いている方はたくさんいらっしゃいます。
「自分は働いているけど障害年金をもらえるだろうか」「就労移行支援事業所に通所しているけど障害年金をもらえるだろうか」とご不安な方は、以下からお問い合わせください。
請求サポートさせていただき、無事支給となりました。
この方の場合、医師に確認したところ知的障害で診断書を作成いただけるとのことでした。
そのため、初診日の証明は不要となり、障害の状態がポイントとなりました。
この方の場合、障害者雇用で就労しているものの就労安定せず、休むこともありました。
また、日常生活においてもお母さまの援助の元での生活となっていました。
こうした考慮いただきたいことをしっかりと請求書類に落とし込み、請求を行いました。
結果、障害基礎年金2級の認定を得られ、「これで一安心だ」と大変喜んでおられました。
他の事例もご参照ください。
障害年金の審査について
障害年金の審査はすべて書面で行われます。
面接はありません。
そのため、審査で考慮されることを余すことなく書面で伝える必要があります。
本当は障害年金を受給できる状態なのに、書類がうまく作成できなかったためにもらえないというのは、大変もったいないことです。
障害の状態の審査には、主に「診断書」と「病歴・就労状況等申立書」が使用されます。
診断書について
障害年金を請求するための診断書は、治療のための医学的な診断書ではなく、生活に必要な所得保障のための社会医学的な診断書です。
そのため、病気やけがなどによって日常生活にどれくらい影響を及ぼしているかがわかるように作成いただくことが大切です。
自分一人でお医者様に伝えることが難しい場合は、お医者様に伝えるべきポイントを整理するようサポート致しますのでお問い合わせください。
病歴・就労状況等申立書について
「発病から現在までの病状・治療の流れ」「日常生活の様子」を記述し、症状や生活状況が、障害年金の認定基準を満たすことを申し立てるものです。
ただでさえ障害を抱えて大変な状況なのに、時間と精神的・体力的な負担がかかる作業になるおそれがあります。
ご相談いただければ、代筆いたします。
障害年金を受給するために
障害年金の申請は、国民年金法・厚生年金法や認定基準等をご存じない方がひとりで対応するには限界があります。
ご自分の生活がかかった大切なことなので、専門家である社労士に知識・経験を求めるのが最善の選択です。
「事務手数料の2万円を支払うのが惜しくて、とりあえず自分でやってみたけど不支給だった。なんとかしてください」というご相談をいただくケースがあります。
当然その時点からできる限りのサポートをさせていただくのですが、事後重症請求の方の場合、1か月請求が遅くなれば、障害基礎年金2級なら毎月約6万5千円ずつ捨てていくことになります。
最初にかかる2万円の事務手数料を惜しんだばかりに、障害年金の受け取りが数か月遅くなっては本末転倒です。
一人でわけも分からず不安いっぱいで戦うのではなく、あなたの代理人となって受給に向けて取り組んでくれる専門家である社労士を味方につけてください。
★お気軽にお問合せください。★
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
こちらでは1分で障害年金をもらえるか、カンタン査定をいたします。
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